神社の祈祷の作法と流れ~種類や縁起の良い日、玉串奉納など~

パレットこんにちは、元神社職員のパレットです。

神社に関する知識やうんちくを、初心者向けになるべく難しい単語は抜きに分かりやすく説明しています。

今回は ご祈祷(お祓い)についてお話をします。

人生の大イベントである受験合格祈願、安産祈願。
人生の節目に来る厄年の人の厄払い。
より神前に近いところでお参りしたい、お祓いしてもらいたい。

でもご祈祷の種類や料金は?
作法はあるの?

非日常なので分からないことだらけですよね。
順番に見ていきましょう!

お祓い

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1,ご祈祷とは

ご祈祷とは、お賽銭箱の前でお参りするのとは違い、お供え物をしてある『拝殿(ご祈祷所)』で神主さんに祝詞(のりと)をあげてもらう(読んでもらう)ことです。

玉串に願いを込めて奉納します。
より神前に近いところでお参りができますよ。

・ご祈祷の祈願種類と内容

ご祈祷には様々なご祈祷の種類があります。
ここでは代表的なものを挙げます。

[交通安全祈願]
交通に関する事故、トラブルがありませんようにという祈願です。
車を持ち込むと車もお祓いしてくれるところもあります。

[厄除祈願]
厄年の人の厄払いです。

厄年には「前厄」「本厄」「後厄」があり、厄年は3年間続きます。
受け付け時に生まれ年(昭和・平成など)を聞かれることが多いです。

[安産祈願]
妊娠5ヶ月目に出産の無事を祈ります。

戌の日が大変人気です。
腹帯を持っていくと一緒にお祓いしてくれるところもあります。

☆なぜ戌の日なの?☆
犬は安産でたくさんの子どもを産むそうです。他にも、犬は悪霊を防いで狐や狸から子どもを守るともいわれているそうですよ。

犬の安産にあやかりましょう!

[病気平癒祈願]
現在患っている病気が良くなりますように、或いは手術が無事に成功しますようにと祈願します。

受け付け時に、病名や手術日などを聞かれることもありますがプライバシーの問題もあるので強制ではないと思います。

[合格祈願]
試験に合格しますように、という祈願です。

受け付け時に学校名や試験日などを聞かれるところもあります。

[家内安全祈願]
家族が日々、安全で健康に過ごせますように。

受け付け時に家族全員の名前を聞かれることもあります。

[商売繁盛祈願]
会社の安全と繁盛を祈願します。

受け付け時に会社名と住所の他、代表取締役などの代表者名を聞かれることもあります。
(「え?代表者名!?え?」と分からず、付き添いの上司に怒られている人がたまにいたので代理で来る方は事前に確認しておきましょう笑)

[初宮詣]
赤ちゃんが生まれてから無事に1ヶ月目を迎えられたことを神様に報告し、赤ちゃんの健やかな成長を祈願します。

きっちり1ヶ月ではなくても大丈夫です。母子の体調を考慮してください。

[七五三参り]
男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の時に子どもの成長を祈願します。
ご祈祷が終わった後、祈願された千歳飴をいただけるところが多いです。

七五三シーズンは11月なのでこの時期は七五三参りの子どもたちでいっぱいになります。

年中七五三参りの祈願を受けている神社もあれば、期間を決めている神社もあるそうなので、シーズンがずれる場合はお参りしたい神社に事前にお問い合わせすることをオススメします。

上記は代表的な祈願内容です。

他にも「良縁祈願」「旅行安全祈願」「人形祓い」など様々なご祈祷を受けてくれます。
どれにすれば分からない場合は神主さんや巫女さんに聞いてみてください。

「最近不運なことが多くて…」
「では災難厄除の厄払い祈願はいかがですか?」

など、内容に沿った祈願を案内してもらえます。

2,六曜との関係は?

カレンダーを見ると「大安」「仏滅」など書いてあるものがありますよね。

普段あまり意識して見ないものかもしれませんが、これは神社ととても関係しているものなんですね。
では六曜とは何か?
それぞれ何を表すのかを簡単に説明します。

・六曜とは

その日の吉凶を定めたものです。
大安・仏滅・先勝・先負・友引・赤口の6種類があります。

・ご祈祷するのに縁起の良い日は?

大安(たいあん) ・・・ 一日中○
仏滅(ぶつめつ) ・・・ 一日中×

先勝(さきがち) ・・・ 午前~昼○ 午後×
先負(さきまけ) ・・・ 午前~昼× 午後○

友引(ともびき) ・・・ 午前午後○ 昼×
赤口(しゃっこう)・・・ 午前午後× 昼○

簡単にまとめるとこんな感じです。
○が縁起の良い時間帯、×が縁起が悪いとされる時間帯です。

一番人気があるのは一日中縁起の良い 「大安」と、めでたいことを引き寄せる 「友引」ですね。

※友引は悪いことも引き寄せるので葬儀には向きません。

ただ、仏滅だからお参りをしてはいけないということはありません。
混み合う日を避けて敢えて仏滅の日を選ぶ人もいますし、そもそも六曜を気にしていない人も多いです。

六曜の意味をもっと詳しく知りたい方は、説明しているサイトが多々あるので調べてみてください。

3,受け付け・ご祈祷の流れや作法

受け付けから始まり、ご祈祷の代表的な流れなどを見てみましょう。

・受け付け

ご祈祷の受付所にてご祈祷の申し込みをします。
受付用紙に住所や名前、ご祈願内容などを記入します。

ご祈祷料は受け付け時に納めます。
大体5000円からのところが多いのではないでしょうか。

納める額によって巫女さんが舞う「舞い」の奉納の種類が変わるところもあります。

受け付けが終わったら呼ばれるまで待ちましょう。

・ご祈祷

呼ばれたらご祈祷所まで案内されます。

[畳の拝殿の場合]

神前に座りますので正座です。
足の悪い方は予め伝えておくと椅子を用意してもらえると思います。

[立礼(立ってご祈祷する)拝殿の場合]

椅子に座ります。

太鼓が叩かれたらご祈祷が始まります。
神主さんや巫女さんの指示に従って頭を下げたりします。

★ご祈祷の流れ★

  1. お祓いしてもらう
  2. 神主さんが祝詞をあげる
  3. 巫女さんが舞いの奉納
  4. 参拝者が玉串の奉納

大体こんな順番です。
神社によって多少異なります。

・玉串奉納の手順

玉串=榊のことです。この玉串に願いを込めて奉納します。

①神主さん、または巫女さんから玉串を受け取ります。
②前方に用意された台(‘’案‘’といいます)の前に行く。座に着いたら軽く一礼します。
③横向きに受け取った玉串を時計回りに90度起こして縦にする
右に90度
④時計回りに180度回転させて玉串の根元を神前に向ける
下に180度
⑤目の前の台(案)に乗せる
案に乗せる
⑥二礼二拍手一礼で拝礼する
⑦一礼して元の場所に戻って座る

太鼓が叩かれ、これでご祈祷が終わります。

・ご祈祷が終わったら

ご祈祷が滞りなく終わったらご祈願されたお札やお守りを受け取ります。

神社によってはお神酒をいただけることがありますが、車を運転する人は形だけ(飲まずに口を付けるだけ)にしておきましょう。

受け取ったお札のおまつりの仕方や、お守りの扱い方については別の記事を参考にしてください。
神棚がなくてもお札は祀れる!お札に関する基礎知識
神棚に置く神具の配置は?設置する方角など神棚に関する基礎知識
神社のお守りにはどんな種類がある?扱い方や返納などの基礎知識

・ご祈祷を受ける際の注意点

  • 神前なのであぐらをかくのは止めてください。足の悪い人は事前に神主さん、巫女さんに伝えましょう。
  • 撮影は禁止です。たまにご祈祷中に撮影しようとする人がいますが失礼極まりないです。神様にご祈願しに来ているのですから礼儀をわきまえましょう。
  • 服装としてジーパンや短パンなどは避けましょう。お参りするのに失礼でない服装で拝殿にあがりましょう。

神様により近いところであることを意識して厳かな気持ちでご祈願しましょう。

まとめ

  • ご祈祷の種類はたくさんあるので自分の願いを神主さん、巫女さんに伝えてみましょう
  • ご祈祷料は5000円からの神社が多い
  • 六曜によって縁起の良い時間帯が違う
  • 玉串に願いを込めて奉納する

普段のお参りとは違う、特別な願いがあったら是非ご祈祷を受けてみてください。

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